1975年の後期は8月に6連勝と8連勝を記録した近鉄が一気に抜け出し、早くも9月7日には19試合を残してマジック13を点灯させた。その後も快調なペースで勝ち進み、ついに9月18日、近鉄がエース・鈴木啓示の20勝目で日本ハムを下し、マジック対象チームの5位・阪急が最下位の太平洋クラブに完封負けを喫したため、近鉄のマジックは2となった。翌19日からは阪急と近鉄の直接対決6連戦が組まれており、近鉄はこの6連戦に1勝もしくは2引き分けすれば悲願の初優勝(ただし後期優勝)を果たすことになる。

9月19日8回戦阪急1勝4敗3分西宮球場(18,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄1000000000181神部
阪急1000000000180足立
試合時間3時間5分

 近鉄の先発はこの年の4月に無安打無得点試合を達成した神部年男、阪急の先発はこの年11勝を挙げた下手投げの足立光宏だったが、ともに不安定な立ち上がりを見せた。近鉄は初回、伊勢孝夫阿部成宏小川亨の3連打で1点を先制したが、続くジョーンズが三振、アンドリウスも併殺打で追加点を逃した。その裏、阪急は福本豊が四球で出塁するとすぐ二盗し、送りバントで三進、高井保弘の適時打であっさりと同点に追いついた。さらに2回裏にもチャンスをつかんだが大橋穣のスリーバント・スクイズは失敗に終わり、勝ち越しはならなかった。その後は近鉄・神部、阪急・足立の両投手が立ち直ってみごとな投手戦を展開、延長10回1-1のまま引き分けた。これで近鉄のマジックは1、阪急との残り5試合で1試合でも勝つか引き分ければ優勝が決まる。

9月20日9回戦阪急2勝4敗3分西宮球場(20,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000000000030柳田-芝池
阪急10200000X370山口加藤29号
勝利山口12勝12敗1S
敗戦柳田8勝11敗3S試合時間3時間3分

 近鉄の先発は下手投げの柳田豊、阪急の先発はルーキーながらここまで11勝を挙げている速球投手・山口高志だった。阪急は初回に加藤秀司のソロで先制し、3回には大熊忠義の右翼線二塁打と長池徳二の中前安打で2点を追加した。近鉄は二番手の芝池博明が好リリーフを見せたものの、打撃陣がここまで3連勝中と得意にしていたはずの山口投手をうち崩せず、10四球を選びながら3併殺の拙攻で11奪三振3安打完封を喫してしまった。

9月21日10回戦阪急3勝4敗3分西宮球場(28,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄003011000591太田幸-加藤-柳田-板東伊勢6号
阪急33200100X9150山田加藤30号,マルカーノ20号
勝利山田10勝9敗2S
敗戦太田幸12勝11敗1S試合時間3時間17分

 ダブルヘッダーの第一試合、近鉄はすでに12勝を挙げている太田幸司、阪急は下手投げのエース・山田久志を先発に立てた。阪急は初回、加藤の2ランと長池、マルカーノ、ウィリアムスの3連打で3点を先制し、2回にも長池、ウィリアムスの長短打で3点を追加、先発の太田幸をあっさりとマウンドから引きずりおろした。近鉄は3回に伊勢の3ランで3点差に詰め寄ったものの、その裏アンドリウスのエラーなどで2点を失い、追い上げムードに水を差してしまった。阪急・山田は9安打で5点を失ったものの、味方の援護で完投勝利を収め、6年連続となる二桁勝利を達成した。

9月21日11回戦阪急3勝5敗3分西宮球場(28,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄100110000360井本-鈴木平野4号
阪急000000000042白石-三好
勝利井本4勝1敗
敗戦白石3勝8敗試合時間3時間3分

 3試合続けて胴上げを阻止された近鉄は入団3年目の井本隆、阪急は広島東洋から移籍してきた白石靜生を先発に起用した。近鉄は白石の制球難につけこみ、初回、佐藤竹秀の四球と小川、ジョーンズの安打で一死満塁のチャンスをつかみ、西村俊二の左犠飛で1点を先制した。4回には平野光泰のソロで1点を追加、続く5回にも平野の適時打で加点した。近鉄の先発・井本は序盤こそピンチを迎えたものの、5回以降は無安打に抑える好投を見せ、8回からはエース・鈴木啓示が登板して残り2回を完全に抑え、悲願の(後期)初優勝を果たした。球団創設26年目の悲願を果たし、ファンもグラウンドに降りて胴上げに加わった。

1975年9月21日現在の成績
順位チーム試合勝利敗戦引分勝率勝差残り試合
1近鉄5935195.648-6
2ロッテ6029292.5008.05
3南海6229312.4839.03
4日本ハム6127304.4749.54
5阪急5523275.46010.010
6太平洋クラブ5522294.43111.510

 近鉄は優勝決定後も5勝1敗のハイペースで勝ち進み、最終的には勝率.667、2位に9.5ゲームの大差をつけた(二シーズン制下の史上最大差)。そして初のリーグ優勝をかけて10月15日から前期優勝・阪急とのプレーオフに臨んだ。


                   
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