5月14日7回戦阪急3勝3敗1分西宮球場(20,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄50004104216132太田幸-板東-佐藤文有田修5号,島本3号,西村2号,羽田5号
阪急2201010129143稲葉-三枝-山口-今井雄加藤秀8号,河村2号,吉沢2号,簑田2号,高井4号
勝利板東2勝セーブ佐藤文3勝5S
敗戦三枝1勝1敗試合時間3時間41分

オーダー打数得点安打打点
(中)平野4411
(遊)石渡5211
(指)栗橋4201
(右)佐々木3123
(一)小川4123
(捕)有田修5124
(左)島本5121
(三)羽田5111
(二)西村5321

 近鉄・太田幸司、阪急・稲葉光雄の両先発投手が乱調で、打撃戦となった。近鉄は初回、有田修三の2ランなどで5点を奪い、稲葉投手をKOした。一方の阪急も2回までに4点を返して太田幸投手をマウンドから引きずりおろし、4回には河村健一郎のソロでついに同点に追いついた。しかし近鉄は直後の5回、阪急投手陣の乱調につけ込んで一挙に4点を奪って突き放し、その裏無死満塁のピンチを0点に切り抜けると6回途中からは抑えの切り札・佐藤文男を投入して逃げ切った。近鉄打線は終盤にも加点し、8回までにパ・リーグ史上5度目の全員得点を記録、あと一番・平野光泰、二番・石渡茂に打点がつけば全員打点、この2人に三番・栗橋茂を加えた3人が安打を放てば全員安打も記録する可能性が出てきた。七番・島本講平から始まった9回の攻撃は八番・羽田耕一の投手ゴロ併殺打であっという間に二死無走者となってしまったが、九番・西村俊二が安打でつなぐと、一番・平野が適時二塁打を放って打点、安打を記録、続く石渡も中前適時打を放って打点、安打を記録し、土壇場で史上初の全員打点を達成した。さらに三番・栗橋が安打を放てば全員安打も記録されるところだったが、惜しくもこれは逃した。

1978年9月10日現在の上位2チームの成績
順位チーム試合勝利敗戦引分勝率勝差残り試合
1阪急5533148.702-近鉄5、他5
2近鉄5835176.6730.5阪急5、他2

 1978年のペナントレースは前期は阪急の圧勝、後期も阪急が快調にとばしたが、8月末から近鉄が徐々に追い上げ、9月11日からの西宮球場での直接対決4連戦の前日にはその差はわずか0.5ゲーム差にまで接近していた。プレーオフなしでパ・リーグ史上初の4連覇を決めたい阪急と、3年ぶりのプレーオフに出場して今度こそ王者・阪急を破り、初優勝を飾りたい近鉄の、宿命の対決だった。

9月11日9回戦阪急3勝5敗1分西宮球場(36,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000000100140鈴木アーノルド13号
阪急00000041X570稲葉長池5号
勝利稲葉10勝5敗
敗戦鈴木23勝9敗試合時間2時間51分

 首位攻防第1ラウンドは、近鉄・鈴木啓示、阪急・稲葉、両投手の息詰まる投手戦で始まった。ゼロ行進に先にピリオドを打ったのは近鉄だった。7回表、アーノルドが13号ソロをスタンドにたたき込んだのである。鈴木投手の出来から見て、この1点で近鉄の勝利は濃厚かと思われたが、ドラマはその裏に待っていた。島谷金二、河村の左前安打とウィリアムスの四球で作った満塁のチャンスに、9年前、そして3年前、2度にわたって優勝を目前にした近鉄の前に立ちはだかった男、長池徳二が代打逆転満塁本塁打という途方もない大仕事をやってのけたのである。8回にもマルカーノの適時二塁打で1点を追加した阪急は、投げても稲葉が余裕の4安打完投勝利を収め、ゲーム差を1.5に広げた。近鉄は残る3連戦を3連勝で乗り切らなければ優勝はかなり難しいという崖っぷちに立たされた。

9月12日10回戦阪急3勝6敗1分西宮球場(25,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄1510000108110柳田小川9号、梨田7号、アーノルド14号
阪急200100010491山田-三枝-松本加藤秀24号、マルカーノ25号
勝利柳田13勝9敗2S
敗戦山田17勝3敗4S試合時間3時間23分

 第2ラウンド、近鉄の先発は柳田豊。ここまで12勝を挙げ、鈴木の次に頼りになる投手である。一方の阪急はここまで.895という驚異的な勝率を残しているエース山田久志を先発させ、一気にマジック4を点灯させる構えを見せた。試合は初回、近鉄が小川亨のソロで先制したが、阪急もその裏、簑田浩二、高井保弘の連続長打から一気に4連打で逆転した。さらに走者二人をおいてウィリアムスが左翼へ大飛球を放ったが、これを島本が好捕し、阪急の勢いをくい止めた。そして2回、平野の適時打であっさり同点に追いついた近鉄は、山田投手の悪送球で勝ち越し、さらに梨田昌崇の3ランも飛び出して山田をKOした。3回にはアーノルドの2試合連続ソロが飛び出すなど、試合は終始近鉄ペースで進み、柳田投手は2本のソロを浴びながらも完投勝ちし、阪急のマジック点灯をなんとか阻止した。

9月13日11回戦阪急3勝7敗1分西宮球場(36,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄01020120511160神部-板東アーノルド15号、栗橋20号
阪急010000020382今井雄-三浦
勝利神部7勝4敗セーブ板東7勝1敗4S
敗戦今井雄10勝4敗1S試合時間3時間16分

 第3ラウンド、近鉄は左腕の神部年男、阪急はこのシーズンに完全試合も達成している今井雄太郎の先発で始まった。近鉄は2回、羽田の内野安打で二塁走者・有田修が一気に本塁をつき、1点を先制した。阪急もその裏ウィリアムスの犠飛で追いついたが、近鉄は4回、アーノルドの3試合連続本塁打(2ラン)で勝ち越し、流れをつかんだ。6回に栗橋のソロが飛び出し、続く7回には羽田の二塁打など4安打で2点を奪って点差を5点に広げた。8回に神部投手がつかまって3点差に詰め寄られたものの、リリーフの板東里視が島谷を1球で併殺打にしとめると、9回には一挙に5点を奪って試合を決めた。これでゲーム差は逆転、勝率もわずか7厘差となり、いよいよ風雲急を告げてきた。

9月14日12回戦阪急3勝8敗1分西宮球場(40,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄101200020650鈴木
阪急000000000053山口-佐藤義
勝利鈴木24勝9敗
敗戦山口13勝4敗14S試合時間3時間17分

 勝ったほうが後期優勝へ大きく前進する西宮4連戦の最終ラウンド、近鉄は中2日でエース鈴木、阪急は3年前のプレーオフで近鉄から2完投勝利を挙げている山口高志の先発となった。天下分け目の一戦とあって、両チームとも最高の投手を持ってきた形だったが、試合は一方的な近鉄ペースとなった。初回に佐々木恭介の適時打で先制、3回にアーノルドの犠飛、4回に梨田、石渡の適時打で小刻みに加点し、8回には暴投とスクイズでダメ押し点を挙げた。すべての得点が山口の四球をきっかけとしており、わずか5安打での6得点だった。投げては序盤のピンチをしのいだ鈴木が、ベンチの期待に十二分に応える5安打完封勝利を飾った。これで近鉄は1.5ゲーム差の首位に立ち、阪急戦1試合を含む残り3試合に全勝すれば3年ぶりの後期優勝が実現するところにまでこぎつけた。

1978年9月14日現在の上位2チームの成績
順位チーム試合勝利敗戦引分勝率勝差残り試合
1近鉄6238186.679-阪急1、他2
2阪急5934178.6671.5近鉄1、他5

 9月16日、首位陥落のショックから立ち直っていない阪急は、日本ハムに0-4で敗れて4連敗。これで残り試合を全勝することが自力優勝の条件となった。
 9月17日、阪急は南海を7-2で破ったが、近鉄はロッテに1-3で敗れ、前日の阪急の取りこぼしにつきあってしまった。残り2試合に勝てば優勝という条件は変わらないものの、阪急を生き返らせてしまった感は否めない。

1978年9月19日現在の上位2チームの成績
順位チーム試合勝利敗戦引分勝率勝差残り試合
1近鉄6439196.672-阪急1
2阪急6236188.6671.0近鉄1、ロッテ2

 9月19日、阪急は4-1でクラウンライターを破り、近鉄も8-0で日本ハムに快勝した。この結果、23日の藤井寺球場での直接対決最終戦で近鉄が勝てば近鉄優勝、阪急が勝てばその後のロッテ戦2試合に負け越さない限り阪急優勝となった。事実上の優勝決定戦である。

9月23日13回戦近鉄8勝4敗1分藤井寺球場(32,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
阪急0010100204120山田マルカーノ26号
近鉄100000001250鈴木-柳田
勝利山田18勝4敗4S
敗戦鈴木25勝10敗試合時間3時間28分

 優勝をかけた大一番、しかも両チームとも前の試合から3日休んでいるから、先発投手は最も頼りになるエースに決まっていた。阪急・山田、近鉄・鈴木、さすがに激闘の疲れからか両投手とも本調子ではなかったが、互いにねばり強い投球を見せた。初回に山田の暴投で1点を先行された阪急は、3回に福本豊の適時打で追いつき、5回には福本が四球を選んで二盗、すかさず簑田が左前安打を放って勝ち越した。その後は両投手が踏ん張って息詰まる接戦が続いたが、8回表、最も大事な場面で鈴木の一発病が出てしまった。マルカーノに26号2ランを打たれたのである。最終回の反撃も有田修の適時打による1点のみに抑えられ、これで3年ぶりの後期優勝は絶望的となった。

1978年9月27日現在の上位2チームの成績
順位チーム試合勝利敗戦引分勝率勝差残り試合
1阪急6438188.679-ロッテ1
2近鉄6539206.6610.5なし

 近鉄の最終戦から4日後の9月27日、阪急は4-1でロッテを破り、パ・リーグ史上初の4連覇を達成した。翌28日は7-12でロッテに敗れたため、ゲーム差なしの6厘差での優勝だった。近鉄は三たび阪急の壁に跳ね返された。しかし、優勝を逃して一時は解任もささやかれた西本幸雄監督の留任が決まり、来季に向けての戦力補強が始まった。


                   
1977年度
シーズン
1978年度
シーズン
過去の戦績
一覧表
1979年度
シーズン
1979年度
シーズン

ハンドブックの目次へ戻る。


E-mail: 8@buffaloes.club.ne.jp