1979年度パシフィック・リーグ前後期優勝チーム
前期後期
優勝近鉄バファローズ阪急ブレーブス
監督西本幸雄梶本隆夫

 10年前の最終4連戦、4年前のプレーオフ、ともに直接対決であと2勝すれば初のリーグ優勝というところまで行きながら3連敗した因縁の相手・阪急との対戦となった。このほか、前年の後期最終戦でも、勝てば後期優勝というところで痛い目にあっている。果たして「三度目の正直」となるのか、「二度あることは三度」で終わってしまうのか。

10月13日第1戦近鉄1勝大阪球場(25,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
阪急000000010160山田
近鉄00021011X560井本-山口小川1号、栗橋1号
勝利井本1勝セーブ山口1S
敗戦山田1敗試合時間2時間46分

 阪急はエースの山田久志、近鉄は意表をついて井本隆が先発した。近鉄は4回、左打者・永尾泰憲の三塁打と梨田昌崇の犠飛で2点を先取し、5回にも左のマニエルが適時打、7回、8回にはやはり左の小川亨栗橋茂が本塁打を放ち、左打者の活躍で下手投げの山田を攻略した。井本投手は7回まで好投したが、8回、1点を失ってなお一死満塁という場面で山口哲治がリリーフに登場、得意のシュートでみごと島谷金二を併殺打にしとめた。結局9回表も山口がきっちりと抑え、4年前と同様に、近鉄がまず先手をとった。

10月14日第2戦近鉄2勝大阪球場(32,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
阪急100001020451白石-山口-永本高井1号
近鉄01004002X7100鈴木-柳田-山口小川2号、有田修1号、平野1号
勝利鈴木1勝セーブ山口2S
敗戦白石1敗試合時間3時間44分

 阪急は白石靜生、近鉄はエース・鈴木啓示を先発にもってきた。阪急は初回、加藤英司の犠飛で先制したが、近鉄も2回、大橋穣のエラーで得たチャンスに石渡茂がスクイズを決めて同点に追いついた。そして5回、近鉄は小川の2試合連続本塁打で勝ち越すと、なおも白石を攻め立ててチャンスを作った。阪急はここで4年前のプレーオフのヒーロー、山口高志をリリーフに送ったが、有田修三がその代わりばな、高めのボール球を強引に引っ張って左中間スタンドへ放り込み、3点を追加した。鈴木は6回に高井保弘にソロを打たれたものの、7回まで2失点と好投し、8回に疲れの見えたところを攻められて一死満塁という場面で降板した。リリーフは柳田豊だったが、いきなり高井に2点適時打を打たれて1点差に詰め寄られてしまう。なお一死一二塁のピンチに前日につづいて山口が登場、みごとリードを守りきった。結局、8回裏に平野光泰の2ランでリードを広げた近鉄が連勝し、初のリーグ優勝に「あと1勝」と迫った。なお、この試合で近鉄の坂本文次郎コーチが審判に暴力を振るい、プレーオフ唯一の退場処分を受けた。

10月16日第3戦阪急3敗西宮球場(22,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄0010000001271村田-山口
阪急0000010000173稲葉-山田福本1号
勝利山口1勝2S
敗戦稲葉1敗試合時間3時間52分

 近鉄は今季12勝の村田辰美、あとのない阪急は11勝の稲葉光雄を先発に起用した。近鉄は3回、島谷のダブルエラーで無死一三塁のチャンスをもらい、永尾が併殺打に倒れる間に1点を先制した。5回まで阪急打線を0点に抑えてきた近鉄先発の村田は、6回に福本豊に同点ソロを浴び、7回には二死満塁のピンチを迎えた。近鉄ベンチはここで山口を3試合連続のリリーフに起用、山口はみごとにこのピンチを切り抜け、ベンチの期待に応えた。阪急の稲葉投手も味方のエラーで1点を失ったものの好投を続け、とうとう試合は1-1のまま延長戦に突入した。そして10回、近鉄は二死満塁のチャンスをつかみ、小川の遊ゴロを井上修がはじく間に三塁走者の梨田が生還して勝ち越した。その裏、山口が最後の打者を三振にとった瞬間、近鉄は球団創設30年目で初のリーグ優勝を決めた。「12球団で唯一リーグ優勝を経験していないチーム」というレッテルをようやく取り除くことができたのである。次の目標はもちろん、日本シリーズの制覇である。

1979年度パシフィック・リーグ・プレーオフ表彰選手
最優秀選手賞山口哲治(近鉄)
敢闘賞稲葉光雄(阪急)
首位打者賞高井保弘(阪急)
優秀投手賞井本隆(近鉄)
技能賞羽田耕一(近鉄)
優秀選手賞小川亨(近鉄)


                   
1978年度
シーズン
1979年度
ハイライト
過去の戦績
一覧表
1979年度
日本シリーズ
1980年度
シーズン

ハンドブックの目次へ戻る。


E-mail: 8@buffaloes.club.ne.jp