1980年度日本シリーズ出場チーム
リーグ
優勝
広島東洋カープ
(セントラル・リーグ)
近鉄バファローズ
(パシフィック・リーグ)
監督古葉竹識西本幸雄

 2年連続で広島東洋と近鉄の顔合わせとなり、この年は広島市民球場からスタートした。両チームとも主力メンバーにさほど変化はなく、前年同様の熱戦が期待された。近鉄の雪辱なるか、それとも広島東洋の連覇か?

10月25日第1戦広島1敗広島市民球場(29,037人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄0000300010026131井本-柳田羽田1号
広島200001010000461山根-大野-福士-江夏-安仁屋ライトル1,2号
勝利柳田1勝
敗戦江夏1敗試合時間4時間36分

 第1戦は昨年のシリーズで2勝を挙げた近鉄・井本隆、広島・山根和夫の先発で始まった。試合は広島が初回、ライトルの2ランで先制、近鉄は毎回のようにチャンスを迎えながら、山根の前に4回まで抑えられていた。しかし5回表、小川亨の二塁打で1点を返すと、広島ベンチは山根をあきらめ、左腕の大野豊をマウンドに送った。ここで近鉄も動き、右の佐々木恭介を代打に送り出すと、佐々木はみごとな同点打、さらに羽田耕一も勝ち越し打を放って、一気に逆転に成功した。しかし広島も6回にライトルのソロで同点、8回には水谷実雄の適時二塁打が飛び出して再び勝ち越した。9回表、広島のマウンドには前の回からリリーフエース・江夏豊が上がっていたが、近鉄は江夏を攻略、吹石徳一の中犠飛で同点に追いついた。そして延長に入って12回表、5イニング目でさすがに疲労の見えてきた江夏から、羽田が2ランを放って決着をつけた。近鉄は勝つには勝ったものの、4併殺、12残塁と拙い攻めが目立った。

10月26日第2戦広島2敗広島市民球場(29,668人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄0000350109141鈴木吹石1号、マニエル1号
広島001100000260池谷-渡辺-大野-北別府
勝利鈴木1勝
敗戦池谷1敗試合時間3時間10分

 広島は前年2試合に先発して1勝1敗だった池谷公二郎を、近鉄は前年の第2戦で完封勝利を挙げたエース鈴木啓示を先発に持ってきた。序盤は投手戦の様相だったが、3回に広島が投手・池谷の二塁打で先制、4回にもデュプリーの適時打が出て2点をリードした。近鉄は4回までパーフェクトに抑えられていたが、5回に有田修三が初安打で出塁すると一気にチャンスをつかみ、吹石の3ランであっという間に逆転した。そして続く6回にマニエルが3ランを放つと、試合は一方的な近鉄ペースに。結局9点を奪って快勝、投げても鈴木が5回以降立ち直り、みごと完投勝利を収めた。近鉄は史上5度目となる敵地での連勝スタートを飾ったが、過去4チームはすべて日本一になっており、日本一に大きく近づいた。

10月28日第3戦近鉄2勝1敗大阪球場(17,371人)
チームRHE投手リレー本塁打
広島000012001460福士-江夏水谷1号、山本浩1号
近鉄002000010372村田-柳田-井本
勝利江夏1勝1敗
敗戦井本1敗試合時間3時間23分

 大阪に移動しての第3戦、広島はこの年チームトップの15勝を挙げた福士敬章、近鉄は前年も第3戦で先発している左腕・村田辰美の先発で始まった。近鉄は3回、小川の2点適時打で先制したものの、5回に村田投手が水谷にソロを浴び、二番手の柳田豊も6回に山本浩二に2ランを打たれて逆転されてしまった。しかし近鉄は8回裏にチャンスをつかみ、マニエルの遊ゴロの間に三塁走者の藤瀬史朗が生還して同点に追いついた。そして迎えた9回表、広島は吹石のエラーで出た走者をデュプリーの二塁打で返し、これが決勝点となった。デュプリーの二塁打は島本講平が打球をそらしたもので、一塁走者が一気に生還したのも中継に入ったアーノルドの本塁返球が低く捕手・梨田昌崇がはじいてしまったためで、本塁突入のタイミング自体はアウトであった。吹石のエラーと合わせ、守備のミスによる1敗と言えた。

10月29日第4戦近鉄2勝2敗大阪球場(21,254人)
チームRHE投手リレー本塁打
広島200000000230山根ライトル3号
近鉄000000000021井本
勝利山根1勝
敗戦井本2敗試合時間2時間45分

 第4戦は、広島・山根、近鉄・井本という第1戦の先発投手同士の対決となった。井本は被安打わずか3で完投したが、初回にライトルに打たれた2ランが最後まで大きく響いた。井本は第1戦でもこのライトルに2本塁打を打たれており、ライトル一人に苦しめられている感じだった。一方の山根は近鉄打線を2安打完封、KOされた第1戦の借りをきっちり返した。近鉄は主砲のマニエルが負傷し、途中で交代するというアクシデントにも見舞われ、打線には全くいいところがなかった。近鉄2勝から広島が反撃に転じて2勝2敗の五分へ。ここまでの展開は前年と全く同じであった。

10月30日第5戦近鉄3勝2敗大阪球場(22,387人)
チームRHE投手リレー本塁打
広島011000000241池谷-大野-渡辺-北別府水谷2号
近鉄13000020X691鈴木
勝利鈴木2勝
敗戦池谷2敗試合時間3時間21分

 第5戦は、広島・池谷、近鉄・鈴木、ともに中3日での先発となった。前日の試合で負傷したマニエルが欠場し、迫力不足が心配された近鉄打線だったが、小川が1回、2回と連続して適時二塁打を放ち、マニエルの代役・佐々木も適時打で続いた。その後3回以降は二番手の大野投手に抑えられていたが、7回になって佐々木、有田の適時打で打ち崩した。鈴木投手は2回に水谷のソロ、3回に衣笠祥雄の二塁打で1点ずつを失い、4回にはライトルのライナーが左太ももを直撃するアクシデントにも見舞われたが、被安打4で2試合連続の完投勝利を挙げた。近鉄はこれで日本一に王手をかけ、敵地・広島へと移動した。

11月1日第6戦広島3勝3敗広島市民球場(29,297人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000000002280村田-久保-太田幸-栗橋1号
広島41001000X6100福士水谷3号、山本浩2号
勝利福士1勝
敗戦村田1敗試合時間3時間1分

 第6戦は、第3戦で先発した近鉄・村田、広島・福士両投手の先発で始まった。追いつめられた広島は初回、水谷がいきなり満塁本塁打を放って主導権を握り、2回には木下富雄の適時打、5回には山本浩のソロで加点した。近鉄打線はいきなりの先制パンチでリズムを崩したか、最後まで福士投手をとらえきれず、9回に代打・栗橋茂のソロと代打・アーノルドの適時打で2点を返すのがやっとだった。これで勝負は2年連続して7戦目までもつれ込んだ。

11月2日第7戦広島4勝3敗広島市民球場(29,952人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000003000381井本-鈴木-柳田-村田
広島00101222X8143山根-江夏衣笠1号
勝利山根2勝セーブ江夏1勝1敗1S
敗戦鈴木2勝1敗試合時間3時間36分

 第7戦は、第1戦と第4戦で投げ合った近鉄・井本、広島・山根両投手の先発で始まった。先手をとったのは広島で、井本投手を完全にカモにしているライトルが、3回に適時二塁打を放った。5回にも山本浩に適時打を打たれて2点をリードされた近鉄は、その直後の6回表、小川の2点適時打で同点とした後、石渡茂にも二塁打が出て一気に逆転に成功した。その裏、近鉄はエース鈴木を二番手に起用して逃げ切りをはかったが、中2日の鈴木は本調子ではなかった。あっさりと三村敏之に中前打を打たれて同点とされ、さらに木下にも勝ち越し打を許してしまった。すると今度は広島が逃げ切りの体勢に入り、前年同様に4-3で1点リードの7回という場面で江夏を投入した。江夏は3回を1安打に抑えてみごとに役割を果たし、打線も衣笠の2ランなどでリードを広げ、終わってみれば広島が8-3と快勝、連覇を果たした。近鉄はまたも「あと1勝」に泣き、西本幸雄監督8度目の挑戦は8度目の敗北で終わった。

1980年度日本シリーズ表彰選手
最優秀選手賞ライトル(広島)
敢闘賞小川亨(近鉄)
優秀選手賞木下富雄(広島)
優秀選手賞山根和夫(広島)
優秀選手賞平野光泰(近鉄)

打撃成績
守備 選手名 背番号 投打 試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率
標準的オーダー
() 平野光泰 9 右右 7 26 9 0 1 0 .346
() 小川亨 7 左左 7 23 9 0 8 0 .391
() 佐々木恭介 5 右右 7 16 4 0 3 3 .250
() マニエル 4 右左 6 15 3 1 4 0 .200
() 羽田耕一 3 右右 7 24 4 1 3 0 .167
()遊 石渡茂 6 右右 7 27 8 0 3 0 .296
() 梨田昌崇 8 右右 5 17 4 0 0 0 .235
()三 吹石徳一 25 右右 7 20 6 1 4 0 .300
() 井本隆 12 右右 4 5 1 0 0 0 .200
交代要員
( 有田修三 24 右右 7 11 3 0 1 0 .273
( 栗橋茂 2 左左 7 16 3 1 1 0 .188
( アーノルド 41 右右 6 11 2 0 1 0 .182
( 永尾泰憲 30 右左 5 8 4 0 0 1 .500
( 阿部成宏 38 左左 5 3 0 0 0 0 .000
( 島本講平 10 左左 4 2 0 0 0 0 .000
( 鈴木啓示 1 左左 3 8 1 0 0 0 .125
( 林正広 52 右右 3 3 0 0 0 0 .000
( 柳田豊 21 右右 3 1 0 0 0 0 .000
( 村田辰美 34 左左 3 1 0 0 0 0 .000
( 藤瀬史朗 40 右右 2 2 0 0 0 0 .000
( 石山一秀 33 右右 1 1 0 0 0 0 .000
( 久保康生 16 右右 1 0 0 0 0 0 -
( 太田幸司 18 右右 1 0 0 0 0 0 -
( 橘健治 19 右右 1 0 0 0 0 0 -
チーム成績 7 240 61 4 29 4 .254

投手成績
選手名 背番号 投打 登板 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 与四球 奪三振 自責点 防御率
先発投手陣
鈴木啓示 1 左左 3 2 1 0 18 2/3 14 4 9 6 2.84
井本隆 12 右右 4 0 2 0 23 15 11 13 7 2.74
村田辰美 34 左左 3 0 1 0 7 7 3 3 6 7.71
救援投手陣
久保康生 16 右右 1 0 0 0 3 3 2 0 1 3.00
太田幸司 18 右右 1 0 0 0 2 1 0 4 1 4.50
橘健治 19 右右 1 0 0 0 2 2 0 0 0 0.00
柳田豊 21 右右 3 1 0 0 8 1/3 7 1 6 5 5.63
チーム成績 7 3 4 0 64 49 21 35 26 3.66


                   
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