近鉄オリックス西武
日付試合結果勝率順位勝差試合結果勝率順位勝差試合結果勝率順位勝差マジック
9/29.55933.5.56622.5.5911-
9/308-4.56332.55-4西.57021.54-5.5861-
10/15-8.55832.510-5西.57420.55-10.5801-
10/2.55832.5.57420.5.5801-
10/33-0.56132.00-3.56921.0.5801-
10/48-11.55732.5 11-8.57320.5 14-4.5841-
4-7.579
10/54-5.55233.05-4.5761-12-13.57420.5オM8
10/65-2.55632.52-5.57120.52-1.5781-
10/74-3.55932.011-9.5751-1-2.57320.5オM6
10/84-0.56331.02-3.57020.0.5731-
10/96-7.55832.02-11西.56621.011-2.5761-
10/103-2西.56221.04-7.56131.02-3.5711-
10/11.56221.0.56131.0.5711-
10/126-5西.5661-10-2.56520.05-6.56731.0近M2
14-4西.569 14-2.568 4-14.562
10/13.5691-3-5.56320.5.56231.0近M1
10/145-2.5731-.56321.0.56231.5近鉄優勝
10/155-6西.5681-5-0.56720.06-5.56630.5
球団名略号:近=近鉄、オ=オリックス、西=西武、ダ=福岡ダイエー、日=日本ハム、ロ=ロッテ
勝差は首位チームとのゲーム差

 1989年のペナントレースは、オリックスが球団創設以来8連勝という圧倒的な好スタートを切って独走、史上初のリーグ5連覇を目指す西武は大きく出遅れて一時は最下位、首位とのゲーム差は11にまで開いた。近鉄は決して悪いスタートではなかったが、オリックスのハイペースについていけず、6月29日には2位とはいえ首位とのゲーム差は8.5まで開いた。しかしそこから近鉄、西武が追い上げを開始し、オリックスも夏バテしたか調子を落としたため、8月12日には近鉄が首位に浮上した。8月24日の時点で2位とのゲーム差は4まで開いたが、そこからオリックスが粘りを見せ、西武も急速に迫ってきたため、9月16日に西武に抜かれて2位、27日にはオリックスにも抜かれて3位に転落、首位とのゲーム差は3.5となった。その後、9月30日からの西武−オリックス2連戦が2位・オリックスの連勝に終わったことで、優勝争いの主導権はオリックスに移った。
 そして10月3日からの近鉄−オリックス4連戦。近鉄は2勝2敗の五分で切り抜け、なんとか首の皮一枚残った。この間、10月5日には西武がダイエーに8-0からの大逆転負けを喫し、オリックスにマジック8が点灯したが、翌日西武が勝ってオリックスが敗れたため、マジックは消滅した。しかしその翌日の10月7日、11四死球を出しながら完投したダイエー・村田勝喜投手に西武が抑えられ、オリックスにマジック6が再点灯した。10月8日、近鉄は阿波野秀幸が西崎幸広とのライバル対決に投げ勝ち、首位・オリックスが敗れたため、上位3チームが1ゲーム差の中にひしめく大混戦となった。翌9日は西武とオリックスの直接対決。勝ったほうが優勝に大きく近づく一戦だったが、11-2と西武が圧勝、この日3位・近鉄も敗れたため、西武が一気に優位に立った。そして10月10日から西武球場で西武−近鉄の直接対決3連戦が始まった。また、オリックスも川崎球場でロッテとの3連戦を控えており、いよいよ最後の山場が訪れた。

10月10日23回戦西武13勝10敗西武球場(45,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000010110350山崎-吉井鈴木18号、リベラ23号
西武000001100271渡辺久-西本
勝利山崎9勝10敗1Sセーブ吉井5勝5敗19S
敗戦渡辺久15勝10敗試合時間3時間47分

 西武は対近鉄7連勝中の渡辺久信、近鉄は中2日の山崎慎太郎が先発し、両投手の好投で前半は投手戦になった。5回に近鉄が鈴木貴久のソロで先制したが、西武もすぐ6回に追いついた。7回表に山下和彦の適時打で再び近鉄がリードすると、その裏、西武がまた追いつくという大接戦になった。しかし8回にリベラのソロで三たびリードを奪った近鉄は、抑えの切り札・吉井理人を投入して逃げ切り、優勝への望みをつないだ。
 この日、勝っていればマジックが点灯するはずだったオリックスは川崎でロッテに不覚をとり、近鉄に抜かれて3位に転落した。
 10月11日は関東地方で雨が降ったため、西武−近鉄、ロッテ−オリックスともに試合は中止となり、翌12日はダブルヘッダーとなった。

10月12日24回戦西武13勝11敗西武球場(32,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000104010670高柳-佐藤秀-池上-加藤哲-吉井ブライアント46,47,48号
西武130010000570郭-渡辺久-石井辻3号
勝利加藤哲6勝2敗1Sセーブ吉井5勝5敗20S
敗戦渡辺久15勝11敗試合時間3時間18分

 ダブルヘッダー第1試合、西武は近鉄キラーの郭泰源、近鉄は高柳出己を先発に立てた。試合は初回から西武ペース。辻発彦の2ランなどで2回までに4-0とリードし、先発の高柳をKOした。近鉄は4回にブライアントがソロを放って1点を返したものの、5回にも1点を失って再び4点差。この不利な状況を一気に打開したのはブライアントのバットだった。6回表、無死満塁の場面で登場し、2打席連続本塁打で同点。8回には救援に出た渡辺久から3打席連続となる勝ち越しソロを放ち、一人で6得点すべてを叩き出した。近鉄は同点に追いついたところで加藤哲郎、リードを奪った後は守護神・吉井を投入して守りきり、西武に連勝、これでゲーム差なしの1厘差となった。

10月12日25回戦西武13勝12敗西武球場(50,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄20433011014150阿波野-木下ブライアント49号、リベラ24号、鈴木19,20号
西武200000020471高山-西本-工藤-松沼博-山根清原35号
勝利阿波野19勝8敗
敗戦高山5勝4敗試合時間3時間38分

 ダブルヘッダー第2試合、西武は高山郁夫、近鉄はエース阿波野が先発。試合は近鉄が第1戦の勢いをかって初回2点を先制、西武もその裏追いついたが、3回にブライアントの4打数連続本塁打が飛び出すと流れは完全に近鉄に傾いた。その後もリベラのソロ、鈴木の2打席連続本塁打などで計14点を挙げた近鉄が圧勝し、一気に首位に浮上するとともにマジック2を点灯させた。
 この日、オリックスがロッテに2試合とも二桁得点を挙げて連勝、西武を抜いて近鉄と1厘差の2位に浮上した。
 しかし翌13日、オリックスは3-0とリードしながらロッテに逆転負けを喫し、近鉄のマジックは1となった。翌14日のダイエー戦に勝てば近鉄の9年ぶり3回目の優勝が決定する。

10月14日26回戦近鉄11勝13敗2分藤井寺球場(32,000人)
チームRHE投手リレー本塁打
ダイエー000000110273村田-藤本修
近鉄10031000X560加藤哲-阿波野リベラ25号
勝利加藤哲7勝2敗1Sセーブ阿波野19勝8敗1S
敗戦村田6勝8敗試合時間2時間59分

 近鉄は中1日の加藤哲、ダイエーは村田の先発で始まった。初回、近鉄は一死満塁から鈴木が犠飛を放ち先制、4回には山下の適時打、新井宏昌の適時二塁打に敵失が絡んで3点を追加した。5回にもリベラの25号ソロが飛び出して5-0とリードした近鉄に対し、ダイエーは7回、疲れの見えた加藤哲をとらえて1点を返した。ここで近鉄は阿波野をリリーフに送って後続を断った。阿波野は8回に1点を失ったものの、9回は鈴木、大石第二朗の好守にも助けられて簡単に二死までこぎつけ、最後の打者・伊藤寿文を三振にしとめて胴上げ投手となった。9年ぶり3回目の優勝、一シーズン制では初めての優勝だった。初の日本一を目指す日本シリーズはもう1週間後に迫っていた。

1969年10月14日現在の上位3チームの成績
順位チーム試合勝利敗戦引分勝率勝差残り試合
1近鉄12971535.573-西武1
2オリックス12971553.5631.0ダイエー1
3西武12968538.5621.5近鉄1

 10月15日の最終戦、西武は、優勝の翌日で主力の抜けた近鉄相手に3-0から同点に追いつかれたが、延長の末6-5で競り勝った。しかし2位・オリックスもダイエーに5-0で快勝したため順位は変わらなかった。この結果、1位から3位までが0.5ゲーム差、勝率2厘差という史上まれにみる僅差となった。


                   
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