1989年度日本シリーズ出場チーム
リーグ
優勝
近鉄バファローズ
(パシフィック・リーグ)
読売ジャイアンツ
(セントラル・リーグ)
監督仰木彬藤田元司

 オリックス、西武との死闘を制して勝ち上がってきた近鉄と、早々にリーグ優勝を決めた読売という対照的な対戦となった。しかも近鉄は12球団唯一の「日本一」未経験球団、対する読売は12球団最多の「日本一」経験球団であり、その点でもまったく好対照だった。

10月21日第1戦近鉄1勝藤井寺球場(23,477人)
チームRHE投手リレー本塁打
読売020100000372斎藤-宮本岡崎1号
近鉄10000210X470阿波野大石1号、鈴木1号
勝利阿波野1勝
敗戦斎藤1敗試合時間2時間40分

 第1戦、9年前までは照明設備の不備で使えなかった藤井寺球場が、日本シリーズ初の舞台となった。近鉄は19勝を挙げたエース阿波野秀幸、読売は20勝投手の斎藤雅樹という、両リーグの最多勝利投手同士の先発となった。近鉄は大石第二朗の史上初となる初戦先頭打者本塁打で先制したが、読売も2回に岡崎郁の2ランで逆転、4回には呂明賜の適時打で3-1とリードを広げた。しかし近鉄は、6回に鈴木貴久が同点2ラン、7回には新井宏昌が勝ち越し打を放って4-3と再びリードを奪い、立ち直った先発・阿波野がこのリードを守りきった。

10月22日第2戦近鉄2勝藤井寺球場(24,207人)
チームRHE投手リレー本塁打
読売000002001391桑田-鹿取-吉田中尾1号
近鉄00000240X6102山崎-加藤哲-佐藤秀-吉井
勝利佐藤秀1勝
敗戦桑田1敗試合時間3時間40分

 第2戦、読売は17勝を挙げた桑田真澄、近鉄は9勝の山崎慎太郎を先発に立てた。5回までは0-0の投手戦だったが、4回に岡崎のファウルチップを受けて怪我をした山下和彦捕手が退いて光山英和捕手に代わった6回、山崎投手のリズムが崩れ、駒田徳広に2点適時打を浴びて先制点を許した。しかし近鉄もその裏すぐに淡口憲治の二塁打で同点に追いつき、続く7回には、目の前でブライアントの敬遠を見せられたリベラが二死満塁から走者一掃の二塁打を放って3点を勝ち越した。さらに鈴木も二塁打で続き、この回計4点、これで勝負は決した。近鉄は3度目の日本シリーズで3度目の連勝スタートを飾った。

10月24日第3戦読売3敗東京ドーム(45,711人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄120000000350加藤哲-村田-吉井光山1号
読売000000000030宮本-水野-槙原-吉田-斎藤
勝利加藤哲1勝セーブ吉井1S
敗戦宮本1敗試合時間2時間50分

 第3戦は2年目を迎えた東京ドームでこれまた初の日本シリーズとなった。近鉄は7勝の加藤哲郎、読売は5勝の宮本和知を先発に起用した。近鉄は初回、三塁打で出た新井をブライアントの二塁打で返して先制し、2回にも光山が2ランを放ってリードを広げた。3回以降は水野雄仁らの好リリーフの前に追加点を奪えなかったが、この日の近鉄投手陣には3点あれば十分だった。先発・加藤哲は7回途中まで被安打3の好投を見せ、7回に連打を浴びると左のベテラン・村田辰美をワンポイントに挟んで、最後は守護神・吉井理人を投入、みごとな完封リレーで一気に日本一へ王手をかけた。ここまで近鉄には混戦のペナントレースを制した勢いがあり、読売はペナントレース独走による調整の難しさを痛感していた。試合終了後、勝利投手の加藤哲が「パ・リーグ最下位のロッテのほうが一発がある分、まだ怖い。この程度のチームに負けていたらオリックスや西武に申し訳ない」と発言、これが読売の選手たちの自尊心に火をつけた。

10月25日第4戦読売1勝3敗東京ドーム(45,825人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000000000030小野-池上-木下-山田
読売10000310X580香田
勝利香田1勝
敗戦小野1敗試合時間3時間5分

 第4戦、近鉄は12勝とはいえ病み上がりの小野和義、読売は7勝の香田勲男を先発に起用した。小野は実戦から遠ざかっていたこともあって本来の投球ができず、初回に岡崎の中犠飛で先制され、6回には駒田の二塁打や簑田浩二への押し出し四球などで3点を失って降板した。一方の香田は日本シリーズ初登板をみごと3安打完封で飾り、読売に1勝目をもたらした。

10月26日第5戦読売2勝3敗東京ドーム(45,717人)
チームRHE投手リレー本塁打
近鉄000010000140阿波野-吉井-村田-石本-高柳ブライアント1号
読売00002040X681斎藤原1号
勝利斎藤1勝1敗
敗戦阿波野1勝1敗試合時間3時間1分

 第5戦、近鉄は阿波野、読売は斎藤が先発、第1戦の先発投手同士の投げ合いとなった。近鉄は5回、主砲・ブライアントに待望の1号ソロが飛び出して先制したが、その裏読売も岡崎の2点二塁打で逆転した。そして6回、阿波野をリリーフした吉井から原辰徳が満塁本塁打を放って一気に5点差、これで勝負は決した。斎藤投手は4安打完投で、第1戦KOの雪辱を果たした。

10月28日第6戦近鉄3勝3敗藤井寺球場(23,030人)
チームRHE投手リレー本塁打
読売000020010392桑田-宮本-水野岡崎2号
近鉄0001000001100山崎-佐藤秀-吉井リベラ1号
勝利桑田1勝1敗セーブ水野1S
敗戦山崎1敗試合時間3時間37分

 舞台は再び藤井寺に戻っての第6戦。近鉄・山崎、読売・桑田、第2戦の先発投手同士の先発で始まった。近鉄は4回にリベラのソロで先制したが、粘りの投球を続けてきた山崎が5回、篠塚利夫に2点適時打を打たれて逆転を許した。さらに8回にも二番手の佐藤秀明が岡崎にソロを打たれ、近鉄打線は二桁安打を放って毎回のようにチャンスを作りながら桑田−宮本−水野の投手リレーの前に1点に抑えられた。とくに1点を追う7回、新井の絶妙なセーフティバントで生まれた一死一三塁のチャンスに、ブライアントの一塁線へのものすごい当たりが一塁手・駒田の正面をついて併殺となったのは不運としか言いようがなかった。これで3勝3敗。近鉄にとって3度目の日本シリーズは、またも第7戦までもつれ込んだ。

10月29日第7戦近鉄3勝4敗藤井寺球場(23,091人)
チームRHE投手リレー本塁打
読売0103031008100香田-宮本駒田1号、原2号、中畑1号、クロマティ1号
近鉄000111002573加藤哲-小野-高柳-村田-吉井真喜志1号、村上1号、大石2号
勝利香田2勝セーブ宮本1敗1S
敗戦加藤哲1勝1敗試合時間3時間11分

 第7戦、近鉄は第3戦で完封リレーの起点になった加藤哲、読売は第4戦で完封した香田を先発に立てた。投手戦も予想されたが、試合は全く逆の展開となった。加藤哲は2回、駒田に先制ソロを浴び、4回にもピンチを迎えるとあっさり降板、二番手に小野が出てきたが、真喜志康永のエラーでまず1点、さらに中尾孝義、川相昌弘に連続適時打を打たれて0-4となった。近鉄も真喜志と村上隆行のソロで2点を返したが、6回に四番手・村田が原に、五番手・吉井が中畑清に二者連続本塁打を打たれ、2-7となった。近鉄はその裏、連続打数無安打記録を21でストップした大石の2号ソロで3点目を挙げ、香田投手をKOしたが、7回には吉井投手がこの試合両チーム合わせて史上最多の7本目となる本塁打をクロマティに打たれ、3-8。9回の反撃もリベラ、鈴木の適時打による2点止まりで結局5-8で敗れ、3度目の挑戦も失敗に終わった。史上3度目(引き分けを除けば2度目)の3勝0敗からの逆転負けであった。

1989年度日本シリーズ表彰選手
最高殊勲選手賞駒田徳広(読売)
敢闘賞新井宏昌(近鉄)
優秀選手賞岡崎郁(読売)
優秀選手賞香田勲男(読売)
優秀選手賞阿波野秀幸(近鉄)

打撃成績
守備 選手名 背番号 投打 試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率
標準的オーダー
() 大石第二朗 4 右右 7 24 2 2 2 0 .083
() 新井宏昌 9 右左 7 27 9 0 1 0 .333
()左 ブライアント 16 右左 7 24 4 1 2 0 .167
() リベラ 33 右右 7 24 7 1 5 0 .292
() 淡口憲治 7 右左 4 14 3 0 2 0 .214
() 鈴木貴久 44 右右 7 24 4 1 4 0 .167
() 金村義明 6 右右 7 16 2 0 0 0 .125
() 光山英和 56 右右 5 10 3 1 2 0 .300
() 真喜志康永 12 右右 7 24 9 1 1 0 .375
交代要員
( 村上隆行 5 右右 6 8 3 1 1 0 .375
( 山下和彦 10 右右 6 9 1 0 0 0 .111
( 吉井理人 11 右右 5 0 0 0 0 0 -
( 羽田耕一 3 右右 3 3 0 0 0 0 .000
( 中谷忠己 60 右左 3 3 0 0 0 0 .000
( 加藤哲郎 30 右右 3 2 0 0 0 0 .000
( 中根仁 27 右右 3 2 0 0 0 0 .000
( 後関昌彦 36 左左 3 2 0 0 0 0 .000
( 村田辰美 34 左左 3 0 0 0 0 0 -
( 阿波野秀幸 14 左左 2 2 0 0 0 0 .000
( 小野和義 26 左左 2 2 0 0 0 0 .000
(遊三 安達俊也 58 右両 2 1 0 0 0 0 .000
( 山崎慎太郎 15 右左 2 0 0 0 0 0 -
( 佐藤秀明 22 左左 2 0 0 0 0 0 -
( 高柳出己 20 右右 2 0 0 0 0 0 -
( 米崎薫臣 8 右左 1 1 0 0 0 0 .000
( 栗橋茂 2 左左 1 1 0 0 0 0 .000
( 池上誠一 54 右右 1 0 0 0 0 0 -
( 木下文信 41 左左 1 0 0 0 0 0 -
( 山田真実 31 右右 1 0 0 0 0 0 -
( 石本貴昭 13 左左 1 0 0 0 0 0 -
( 吉田剛 48 右右 1 0 0 0 0 0 -
チーム成績 7 221 46 8 20 0 .208

投手成績
選手名 背番号 投打 登板 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 与四球 奪三振 自責点 防御率
先発投手陣
加藤哲郎 30 右右 3 1 1 0 10 7 2 4 1 0.90
阿波野秀幸 14 左左 2 1 1 0 15 12 4 7 5 3.00
山崎慎太郎 15 右左 2 0 1 0 10 1/3 12 6 3 4 3.48
小野和義 26 左左 2 0 1 0 5 2/3 6 4 2 5 7.94
救援投手陣
池上誠一 54 右右 1 0 0 0 0 2/3 1 2 1 0 0.00
木下文信 41 左左 1 0 0 0 0 2/3 2 0 0 1 13.50
石本貴昭 13 左左 1 0 0 0 0 1/3 0 1 1 0 0.00
村田辰美 34 左左 3 0 0 0 1 2/3 2 0 0 2 10.80
山田真実 31 右右 1 0 0 0 1 1/3 1 1 2 0 0.00
高柳出己 20 右右 2 0 0 0 1 1 0 1 0 0.00
佐藤秀明 22 左左 2 1 0 0 5 2/3 5 1 4 2 3.18
吉井理人 11 右右 5 0 0 1 8 2/3 5 4 6 6 6.23
チーム成績 7 3 4 1 61 54 25 31 26 3.84


                   
1988年度
シーズン
1989年度
ハイライト
過去の戦績
一覧表
1990年度
シーズン
1990年度
シーズン

ハンドブックの目次へ戻る。


E-mail: 8@buffaloes.club.ne.jp